とっとこウズ太郎
チモラーシカは サマルカンドの少し先のウルグットで
かわいらしいスザニを1枚 手に入れました。

スザニには、小さなザクロが いっぱいに縫い取られていました。
ザクロは実がたくさん入っているので、
寝室に飾ると子宝に恵まれる という言い伝えがある模様です。
けれどチモラーシカは、タシケントの家では そのザクロのスザニを
ずっと暖炉の上に飾っていました。
やがてチモラーシカは日本に帰り、
「このブログにはたまにしか登場しなかった彼」と
ゆっくりゆっくり家を整えはじめました。
チモラーシカは タシケントでの暮らしを少しでも思い出せるように、
少し大きめのベッドを買いました。
そしてタシケントの暖炉で毎日眺めていたザクロのスザニを
そのベッドにかけることにしました。

タシケントでは ただチモラーシカの目を楽しませていただけのスザニは
ベッドカバーになった途端 その力を発揮しました。
チモラーシカのお腹に、子宝が宿ったのです。
お医者様に診せると、子供は男の子でした。
チモラーシカは その子をウズ太郎と名付けて
お腹が大きくなるまで それはそれは大事に育てました。
大好きな お酒も お茶も お寿司も 血の滴るステーキも チョコレートも
チーズも 明太子も 卵かけご飯も ウナギも 我慢しました。
ウズ太郎はお腹の中で元気に育ち、
チモラーシカがキュウリを食べると ぼこん とお腹を蹴りました。
チモラーシカがプロフを作ると、玉ねぎを炒めている時から
ぐるんぐるんと でんぐり返しをしました。
チモラーシカが音楽を聞くと、手足をバタバタさせて踊りました。
産まれてくる前から、なんてウズい子なんでしょう。
チモラーシカは、ウズ太郎が生まれて大きくなったら
いつか一緒にウズベキスタンを訪ねたいと思いました。
産まれてきたウズ太郎は、ウズ太郎の名前を卒業し
新たな名で呼ばれることになりました。
けれどウズ太郎の痕跡を、神様はちゃぁんと残してくれました。
ウズ太郎のお耳は ミフラーブの形をしているのです。

ウズ太郎は 自分のベッドに初めて寝た日、
壁に自分のお耳と同じ形の青い模様を見つけると
ずっと眺めては 嬉しそうに笑うのでした。

チモラーシカはそれを見て、ウズ太郎はやはり血を分けた子で
自分のウズ愛はDNAに書き込まれるレベルだったのだと思いました。
ウズベキスタンには紙オムツもありますが、
家の中ではオムツをしません。
木の管をお尻にくっつけて、布でぐるぐる巻きにして
ゆりかごで寝かせます。
ぐるぐる巻きになった赤ん坊は よく寝ます。
お尻が濡れないので お腹がすくまで泣きません。
チモラーシカは夢見ます。
あぁ、今もウズベキスタンだったら。
私はゆったりした気持ちで
おむつかぶれも夜泣きもない子育てができるなぁ。
けれどここは日本です。
チモラーシカは ウズ太郎の紙オムツをせっせととり替えながら
ぐるぐる巻きだけは やってみることにしました。
そして ウズ屋敷には不似合いな イマドキのハイローチェアを揺らすたびに、
ウズベキスタンのカワイイゆりかごを 買ってくれば良かったなぁと
遠く空を仰ぐのでした。
かわいらしいスザニを1枚 手に入れました。

スザニには、小さなザクロが いっぱいに縫い取られていました。
ザクロは実がたくさん入っているので、
寝室に飾ると子宝に恵まれる という言い伝えがある模様です。
けれどチモラーシカは、タシケントの家では そのザクロのスザニを
ずっと暖炉の上に飾っていました。
やがてチモラーシカは日本に帰り、
「このブログにはたまにしか登場しなかった彼」と
ゆっくりゆっくり家を整えはじめました。
チモラーシカは タシケントでの暮らしを少しでも思い出せるように、
少し大きめのベッドを買いました。
そしてタシケントの暖炉で毎日眺めていたザクロのスザニを
そのベッドにかけることにしました。

タシケントでは ただチモラーシカの目を楽しませていただけのスザニは
ベッドカバーになった途端 その力を発揮しました。
チモラーシカのお腹に、子宝が宿ったのです。
お医者様に診せると、子供は男の子でした。
チモラーシカは その子をウズ太郎と名付けて
お腹が大きくなるまで それはそれは大事に育てました。
大好きな お酒も お茶も お寿司も 血の滴るステーキも チョコレートも
チーズも 明太子も 卵かけご飯も ウナギも 我慢しました。
ウズ太郎はお腹の中で元気に育ち、
チモラーシカがキュウリを食べると ぼこん とお腹を蹴りました。
チモラーシカがプロフを作ると、玉ねぎを炒めている時から
ぐるんぐるんと でんぐり返しをしました。
チモラーシカが音楽を聞くと、手足をバタバタさせて踊りました。
産まれてくる前から、なんてウズい子なんでしょう。
チモラーシカは、ウズ太郎が生まれて大きくなったら
いつか一緒にウズベキスタンを訪ねたいと思いました。
産まれてきたウズ太郎は、ウズ太郎の名前を卒業し
新たな名で呼ばれることになりました。
けれどウズ太郎の痕跡を、神様はちゃぁんと残してくれました。
ウズ太郎のお耳は ミフラーブの形をしているのです。

ウズ太郎は 自分のベッドに初めて寝た日、
壁に自分のお耳と同じ形の青い模様を見つけると
ずっと眺めては 嬉しそうに笑うのでした。

チモラーシカはそれを見て、ウズ太郎はやはり血を分けた子で
自分のウズ愛はDNAに書き込まれるレベルだったのだと思いました。
ウズベキスタンには紙オムツもありますが、
家の中ではオムツをしません。
木の管をお尻にくっつけて、布でぐるぐる巻きにして
ゆりかごで寝かせます。
ぐるぐる巻きになった赤ん坊は よく寝ます。
お尻が濡れないので お腹がすくまで泣きません。
チモラーシカは夢見ます。
あぁ、今もウズベキスタンだったら。
私はゆったりした気持ちで
おむつかぶれも夜泣きもない子育てができるなぁ。
けれどここは日本です。
チモラーシカは ウズ太郎の紙オムツをせっせととり替えながら
ぐるぐる巻きだけは やってみることにしました。
そして ウズ屋敷には不似合いな イマドキのハイローチェアを揺らすたびに、
ウズベキスタンのカワイイゆりかごを 買ってくれば良かったなぁと
遠く空を仰ぐのでした。