テーブル上のテニス
ウィンブルドンでは連日 熱戦を繰り広げている。
ウズベクのスポーツチャンネルも、テニスの試合はよく中継していた。
有名選手も輩出しているし、
いくつかテニスコートもあるが、それでも そこまでポピュラーなスポーツではない。
競技人口でいったら、やはりテーブルテニス 卓球にはかなわないだろう。
ウズベキスタンの団地の公園に行けば 9割の確率で
卓球台が設置してあるほど。
みんな青空卓球に 子供のころから親しんでいる。
これはソビエトの影響で、タジクでも キルギスでも同じ。
ビシュケクの公園には 卓球台がいくつも並び、
貸しラケット屋を営む屋台が出ていて、
いい歳したおっさんが 昼間っから卓球に興じている。
炎天下、ベンチに座ってそれを眺めつつ 一人で アイスクリームを食べていた私に
お嬢さんもやらないか、と おっさんが声をかけてきた。
・・・アイス食べてるしね。暑いしね。
首を振る私に、おっさんはなおも続けた。
お嬢さんだって学校でやったろう?
卓球できるだろう?
やろうよ、ちょっとだけ、ね?ね?
・・・アイス、溶けるしね。いいってば。
アイスでなく、ジュースを飲んでいたのだったら 付きあってもよかったけれど
アイス食べるほど暑い日に、卓球はさすがにキビシイ。
でもおっさんは食い下がる。
おっさんは、どうも私をガイジンと思っていないようだった。
キルギス人はウズベクよりずっと東アジア寄りの顔で
日本人と区別がつかないような人がいっぱい歩いているからだ。
おっさんは、本気でキルギス女子を卓球に誘っていたのである。
でもこれは、ナンパではない。
おっさんは卓球を愛していて、卓球を通じて新たな触れ合いをしたいという
真剣なお誘いなのだ。
それが証拠に、おじさんは青空だというのに、本気のスマッシュを連発。
おじさんの相手も本気で拾いに行く。
見ている分にはとても面白い。
そんなCISでポピュラーなスポーツ卓球は、
ウズベク人と楽しむスポーツとしては最適だ。
老若男女一緒に出来て
ルールも簡単だし、場所にも困らない。
私が帰る前にも、日ウズ卓球大会が催された。
場所は、人民友好宮殿のすぐ脇の地下にある卓球場。

日曜の昼間、空いていた会場は
あれよあれよという間に夕方、10台ほどの台が満杯に。
隣では、力士並みの体型のウズベク人が
白熱しすぎて上半身裸で卓球している。
なぜか天井までが鏡張りのため、
裸のおっさんが万華鏡のようにいくつものピースに映りこんで暑苦しい。
地下だから空気もこもって、まるで学生時代の格技棟の臭い。
みんな、真剣。
日本も、ジメジメしながらも 暑くなってきた。
ムンとする匂いをかぐと、あの時の卓球場を思い出す。
ウズベキスタンでは、みんないい歳になっても
卓球や ダンスや ウォッカの一気飲みを
真剣に、楽しむところが すごく良い。
もう日本にいたら、この先 一生 踊ることなんてないはずだ。
ウズで一生分 踊っといてよかった。
ウズベクのスポーツチャンネルも、テニスの試合はよく中継していた。
有名選手も輩出しているし、
いくつかテニスコートもあるが、それでも そこまでポピュラーなスポーツではない。
競技人口でいったら、やはりテーブルテニス 卓球にはかなわないだろう。
ウズベキスタンの団地の公園に行けば 9割の確率で
卓球台が設置してあるほど。
みんな青空卓球に 子供のころから親しんでいる。
これはソビエトの影響で、タジクでも キルギスでも同じ。
ビシュケクの公園には 卓球台がいくつも並び、
貸しラケット屋を営む屋台が出ていて、
いい歳したおっさんが 昼間っから卓球に興じている。
炎天下、ベンチに座ってそれを眺めつつ 一人で アイスクリームを食べていた私に
お嬢さんもやらないか、と おっさんが声をかけてきた。
・・・アイス食べてるしね。暑いしね。
首を振る私に、おっさんはなおも続けた。
お嬢さんだって学校でやったろう?
卓球できるだろう?
やろうよ、ちょっとだけ、ね?ね?
・・・アイス、溶けるしね。いいってば。
アイスでなく、ジュースを飲んでいたのだったら 付きあってもよかったけれど
アイス食べるほど暑い日に、卓球はさすがにキビシイ。
でもおっさんは食い下がる。
おっさんは、どうも私をガイジンと思っていないようだった。
キルギス人はウズベクよりずっと東アジア寄りの顔で
日本人と区別がつかないような人がいっぱい歩いているからだ。
おっさんは、本気でキルギス女子を卓球に誘っていたのである。
でもこれは、ナンパではない。
おっさんは卓球を愛していて、卓球を通じて新たな触れ合いをしたいという
真剣なお誘いなのだ。
それが証拠に、おじさんは青空だというのに、本気のスマッシュを連発。
おじさんの相手も本気で拾いに行く。
見ている分にはとても面白い。
そんなCISでポピュラーなスポーツ卓球は、
ウズベク人と楽しむスポーツとしては最適だ。
老若男女一緒に出来て
ルールも簡単だし、場所にも困らない。
私が帰る前にも、日ウズ卓球大会が催された。
場所は、人民友好宮殿のすぐ脇の地下にある卓球場。

日曜の昼間、空いていた会場は
あれよあれよという間に夕方、10台ほどの台が満杯に。
隣では、力士並みの体型のウズベク人が
白熱しすぎて上半身裸で卓球している。
なぜか天井までが鏡張りのため、
裸のおっさんが万華鏡のようにいくつものピースに映りこんで暑苦しい。
地下だから空気もこもって、まるで学生時代の格技棟の臭い。
みんな、真剣。
日本も、ジメジメしながらも 暑くなってきた。
ムンとする匂いをかぐと、あの時の卓球場を思い出す。
ウズベキスタンでは、みんないい歳になっても
卓球や ダンスや ウォッカの一気飲みを
真剣に、楽しむところが すごく良い。
もう日本にいたら、この先 一生 踊ることなんてないはずだ。
ウズで一生分 踊っといてよかった。